寝坊した日の朝は。

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「……そういえば、ママは? もう仕事に行った感じ?」  唐突に次女はスマホに視線を向けつつそう訊ねてくる。 「ああ、今日は朝一番の空港線って言っていたな」 「ひえー、朝一番ってことは三時とかに家を出たってことでしょ」 「まあ、そうなるな。その代わりお昼前には帰れるらしいが、な」  妻はバスの運転士をしていて、毎日が不規則な生活を送っている。  今週は早番の週で毎日出勤時刻が朝の四時代、五時代で早い。  逆に来週は遅番で出勤がお昼過ぎや夕方からなので遅いらしい。 「げげっ、今日はゆっくり帰ってこようかな……」 「テストの点数でも悪かったのか?」 「いやー、ちょっと調子が悪かっただけなんだけど、さー」 「毎回そう言っているが、そろそろその言い訳は厳しいぞ」 「と言っても、なんか勉強ってやる気にならないんだよね……。しかも、点数が悪いとママ、超怒って機嫌悪くなるし……」  うへー、と言わんばかりにうんざりした表情を浮かべる。
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