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「て、店長!起きて下さい!」
「あ?」
「あ?じゃないですよ!今日は西條さんが新人連れて来るって言ってたじゃないですか!マジでいい加減にして下さいよ。こんな姿、新人が見たら……いや、いや、その前に西條さんが見たら……」
「落ち着けよ」
銀色の髪や程よく筋肉の付いたスレンダーな身体には、昨夜の男が残した跡が残っていた。
蓮二は固まっている毛束を摘むと「髪にまで飛ばしやがって」と顔を顰めた。
「落ち着けよって、店長は慌てて下さいよ!早く2階に行ってシャワー浴びて来て下さいよ!……って言うか、も~匂い!」
鼻先を掠めるスレた匂いに、小林が窓を開け部屋中に消臭剤を撒いた。
「身体いてー」
蓮二は上半身だけ起こすと、首を押さえポキポキと骨を鳴らした。
「もー店長早くして下さい!」
蓮二がこんな姿でも小林が驚かないのは、これが初めてではなかった。
寧ろ、しっかりして下さいよ!と心配さえしている。
小林よりも身体の大きな蓮二を立たせようと腕を掴むと「何をすれば、こんなにクセーんだよ」と西條が休憩室のドアを開けていた。
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