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低い所から高く上がり、儚く消える。かと思えば、急に目の前に現れやってくる。
主人の笛音はツバメのようだと、白鼓は思っていた。
誉めているわけではない。
自分では捕まえることが出来ないから、ツバメは嫌いだ。馬鹿にするように、届かないすれすれを飛び、見下ろしてくるのも腹が立つ。
主人の周りの人間もそうだ。笛の音の有り難みがわからないとは、なんて白鼓を哀れんでくるのだ。腹が立つ。
だから、主人の笛の音は嫌いだ。
笛を吹くのをやめて、白鼓の頭を撫でれば良いのだ。主人の手はその為にこそある。
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