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「あっ、桜介君!
やっと部室に来てくれました!」
癒し系のカノンがいつもの癒し系の笑みで、最初に桜介に話しかけた。
「遅いよ、桜介。
こんな大切な日に先生に呼び出されるなんて、やっぱり桜介はイケてないよ」
そう言って桜介に小言を言ったのは愛理だ。
かわいらしい大きな目とショートカットがチャームポイントの愛理は、熱狂的な男子のファンよりもオカルト部が大切らしい。
そして桜介がついに目を向けたのは、久しぶりにオカルト部の部室に現れた一輪の可憐なバラの花、気品溢れるお嬢様の舞だった。
「舞ちゃんが部室にいると、部室の雰囲気が華やかになるよね。
舞ちゃんが元気になって良かったよ。
これでオカルト部もさみしくないよね」
桜介が笑顔で舞にそう言うと、舞は久しぶりの笑顔を桜介に見せていた。
「そう言ってもらえるとうれしいよ。
みんなのおかげでね、悪い夢を見なくなったの。
前までの憂うつな気持ちも嘘みたいになくなったの。
私、みんなに感謝してるね。
本当にありがとう」
舞がそう言ってみんなに見せた笑顔は、品があって美しかった。
そんなすべてにおいてパーフェクトな舞は、きっとピアニストになる夢を叶えるだろうと、桜介は心の中で思っていた。
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