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「桜介って、本当に素直じゃないよね。
時宗君、桜介なんて気にしないで一緒に紅茶を飲もうよ」
「愛理、そんな言い方ないだろ」
「素直じゃない桜介が悪いんだよ。
時宗君は仲間なの!」
「それはオレもさ、時宗が仲間だと思うけど……」
「カノンはわかりますよ。
時宗君は桜介君のライバルなんですよね。
絶対に負けたくないんですよね」
カノンがそう言った後、少しだけ部室内が静まり返り、少しの間を置いて、愛理が最初に口を開いた。
「時宗君と桜介がライバルなの?
ねぇ、桜介。
冗談でしょ?」
「笑いたければ笑えよ。
だけどオレは本気だからな」
桜介がそう言うと、時宗が桜介のとなりの席に座ってこう言った。
「春野がそう言うのなら、オレたちはライバルだ。
そういう関係も悪くない」
「もうわかったよ。
それじゃ、今日から桜介と時宗君はオカルト部の公認ライバルに認定します!」
愛理のその言葉で桜介と時宗のライバル騒動は収まった。
オカルト部のメンバーたちは男子二人の小さな争いを笑いながら楽しんでいた。
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