超・妄想コンテストについて改めて・その2(後編)

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超・妄想コンテストについて改めて・その2(後編)

     真面目に色々と調べた上で超・妄想コンテストに臨んでいる方々ならば、今回のエッセイで私が述べることは、常識としてご存知の話かもしれません。その場合、どうぞ「今まで知らずに応募していたのか!」と笑ってください。  まず、大前提として。  超・妄想コンテストのコンテストページには、以下のような記述がありますよね。 >大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。  つまり、受賞すれば書籍に収録されるコンテストとなっています。  それはもちろん私も知っていたのですが、そもそも受賞というのは自分には縁遠い話と思っていたので、書籍収録云々も無関係と感じていました。  でも一度でも受賞してしまうと、俄然、欲が出てくるのですよね。ただし『「5分シリーズ」に収録されます』ではなく『「5分シリーズ」に収録される可能性があります』という記述に過ぎないので、100%ではない様子。収録される場合もあれば、されない場合もあるのでしょう。  そもそも「5分シリーズ」とは、どういう書籍?  私が知る限りだけでも、他サイトでも「5分」という言葉を使った短編集があったり、その短編集に収録されるコンテストが開かれたりしています。また、小説投稿サイトは別にしても、それっぽい名前の短編集が色々な出版社から発刊されているという話も聞いたことがあります。学校の朝読で使われるからよく売れて、だから色々な出版社から発刊されている……というような話でした。  私は元々、エブリスタの「5分シリーズ」もそのような書籍の一種なのだろう、と認識していました。  今さらながらにエブリスタの「5分シリーズ」の出版社のサイトを確認してみると、上述の「学校の朝読で」から想像していた通り、児童書の分類になっています。  最新の「5分シリーズ」としては、2022年10月に2冊発売。今年は他に、7月発売が2冊、4月と2月に1冊ずつなので、一年間で6冊。2021年も10月と7月が2冊ずつ、4月と1月に1冊ずつなので、やはり6冊。毎年同じようなペースで刊行されているようです。  今まできちんとチェックしていませんでしたが、エブリスタのサイト内でも「運営からのお知らせ」として「5分シリーズ」発売の度に告知が出ているのですよね。  例えば今年の7月や10月の発売は、以下のようなページになっています。 【新刊】大人気「5分シリーズ」2冊同時発売!! https://estar.jp/announces/1200 【新刊】5分シリーズ2冊同時発売! https://estar.jp/announces/1259  とても親切なページであり、収録作品のタイトルが全て記載されている上に、それぞれエブリスタ掲載版へのリンクも張られています。そこから、それぞれの作品ページに飛んで「いつ頃の超・妄想コンテストの作品なのか」を確認してみました。受賞から書籍収録までの期間を知りたくなったからです。  すると、驚くべき点が2つありました。  まず1つ目は、単純に私が誤解していたのですが……。  この「5分シリーズ」って、それぞれ一冊ずつコンテストのテーマに対応しているわけではなかったのですね!  書籍タイトルの『5分後に〇〇の』の『〇〇』の部分。これがそのまま超・妄想コンテストのテーマに準じている、と私は今まで勘違いしていたのです(確か他サイトではそのような形式のコンテストと書籍化があったので、エブリスタも同じと思い込んでいたようです)。  だから収録作品をチェックしてみると、同じ一冊の中で「受賞から書籍収録までの期間」は千差万別。受賞後1年以内で書籍収録されている作品もあれば、3年も4年も経過している場合もありました。  驚くべき点の2つ目としては、収録作品のエブリスタ掲載版のページを見ると、ほとんどの作品に「受賞」マークがついているのは当然としても、たまに「受賞」マークのない作品もあったこと。  つまり「受賞」扱いにならない「優秀作品」からも「5分シリーズ」に収録されている実績があるのです。  わざわざコンテストページに『大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります』という記述がある以上、もちろん受賞した作品の方が優秀作品よりも収録されやすいのでしょうが……。  ここまで調べれば『「5分シリーズ」に収録される可能性』の『可能性』というのも、おおまかな数字を計算することが出来ます。  まず上述のように、一年間で発刊される「5分シリーズ」は6冊。おおざっぱに一冊10作品収録と考えれば、年間で60作品収録ですね。  一方、超・妄想コンテストの受賞作品の数は、「大賞」「準大賞」「入賞」1作品ずつ、「佳作」数作品、「超短編賞」「続きが読みたい賞」「トンデモ賞」1作品ずつまでが「受賞」扱いだから「受賞」作品だけで毎回10作品程度。「大賞」などで「該当作品なし」の場合があればその分少なくなりますが、先ほど述べたように、稀に優秀作品から収録される場合もあります。それがちょうど『その分少なく』と相殺すると考えれば、やはり「5分シリーズ」に収録されそうな作品数は「毎回10作品程度」で計算して構わないでしょう。  そうなると、これが毎月2回だから年間では24回として、全部で240作品。実際に書籍収録されるのが「年間で60作品」なのに対し、収録候補が毎年240作品ずつ増えるのであれば、いつまで待っても収録されない作品も出てきますね。  単純計算では 60/240 = 1/4。たとえ超・妄想コンテストで受賞できても、約25%しか「5分シリーズ」に収録されないようです。書籍収録というのは、なかなか厳しいものなのですね。    
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