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俺が声をかけると焦ったようにガツガツと食べ始めた。
「…んっ!!」
ガツガツと勢いよく食べてた花は突如そんな声とともに顔を赤くし始める。
「あー、馬鹿!何やってんだ、ったく!ほら!茶飲め!」
勢いよく食べすぎたせいで喉に詰めたらしく手渡した茶を受け取っては一気に流し込んだ。今日は一段と荒々しい食べ方だ。
「ぷっはぁ〜!危なかったぁ!海にいちゃ、ありがとう!」
にっこり笑う花の頭を軽くゴツンと殴った。
「痛いー!!海にいちゃ、何するのぉ〜!」
「うるせぇ。飯くらい1人で食えるようになれ。人に迷惑かけるな」
「迷…惑…」
軽く叱ったつもりが今にも泣き出しそうな顔で俯いてしまった花は次第に瞳に大粒の涙が溜まり始める。
全く…ガキの扱いはよく分からねぇ。
ガキに対しての叱り方なんて学んだこともなく、優しい叱り方が出来ない自分に自分自身で時たま苛立ちを覚える。
それこそ、自分の言葉のせいで花のこんな顔を見せられた日には。
「ごめん…なさい」
ヒクヒクと肩を揺らして必死に涙をこらえながら震える声で謝る花に「あー…いや」と罪悪感を覚えた。
「勘違いするなよ」
「え…?」
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