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「お前は「迷惑」って聞いたら悪い意味でしか捉えてねぇだろうがな。今殴ったのは俺の胸の痛みも味わえってことだ」
「胸の…?」
「だから…その…、お前の身に何かあると心配で胸が痛むからよ。俺の知らないところで危険な目に遭うのは心配も出てくるし迷惑だが、俺の手の届くところでなら構わねぇ。さっきの迷惑ってのはあくまで一般論で、俺も同じでは無い」
「うん…???」
まるで分かってないらしい。
子供相手に何かを教えるのがこんなに骨が折れるとは。
「あー!!だから!!つまり、俺はお前のことを迷惑だなんて思ってねぇんだって!!分かれよ!!」
「…!」
我ながら八つ当たりに近い言い草だ。
大人相手とはまた違う会話の成り方にガキの場合はしなければならない。
その気苦労さえガキには伝わらないんだから、骨が何本も折れる。
自分でも何言ってるのか相変わらずわからない。
むしゃくしゃする気持ちが込み上げてきた俺に花は俯いていた顔を上げて、真っ直ぐにこっちを見てお得意の笑顔を見せた。
「わかった!こういうことでしょ!つまり海にいちゃは花の事が好き!」
「は…!?」
「でしょ!?海にいちゃ!」
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