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想いの形
「あ!ちょっと待ってて!!」
「ん?どうした?」
俺の問いかけにも答えずに自分の部屋に走って行き、数分後に何やらお菓子を手に持って帰ってきた。
「はい!これもあげるの!」
「お前…これ…」
差し出されたのは、俺がパソコン作業の仕事中によく食べるビターチョコレートの菓子だった。
「花…お前これいつ買った?というか金どうしたんだよ」
「商店街の人のお手伝いしたらね、欲しいお菓子買ってあげるって言ってくれたからね!買ってもらったなの!」
「でもこれお前が食べたかったもんじゃねぇだろ」
「ううん!花ちゃはこれが良かったなの!海にいちゃはいつもこれ食べてるし、好きなんでしょ?だからこれだったら絶対喜んでくれると思って!プレゼントとしてこれもあげるの!」
「お前なぁ…」
一旦握り飯を置いて、有難くそれを受け取る。丁度今チョコレートを切らしていたのだ。これは助かる。
「いつもありがとう!これでお仕事頑張ってね!」
えへへと笑う花を見ながらこんなに幸せを貰っていいのかと思ってしまう。
こんなに人に想われる事は何年ぶりだろうか。
「本当のお父さんじゃなくても、花ちゃは海にいちゃにプレゼントしたかったなの!」
「…なぁ、花」
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