同室の幽霊ちゃん

10/12
前へ
/12ページ
次へ
 お風呂から出ると、コーヒー牛乳を購入し飲んでみる。  火照った体から一気に熱が逃げ出し、とても気持ちが良い。  まだ鋭い目つきで、私を睨んでいるお婆ちゃんに、軽く頭を下げてから銭湯を出た。  夜風が短くなった髪をなでると、とても心地よい。    あぁ、なんて幸せなんだろう。  家に戻ると、静まり返った部屋に一枚の紙が置かれていた。  大家さんからで、今月の家賃請求と水光熱の請求書が挟まっている。  電話は解約しているので、こうやって直接出向いてきたのだろう。  合鍵で中に入ってきたのかな? 居留守確認も含め、首を吊るようの縄を隠しておいて正解だった。    エッチな本やDVDは散らばっているけれども、まぁ、いいよね。私のじゃないし。  その日は、ぺったんこになった布団に横になって、眠ることにした。  疲れるなんて、随分久しい感覚で、眠るという行為もうまくできるか、わからなかったが、体は自然と電源が落ちるようになっており、私はすぐに微睡の中へと誘われた。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加