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次に目が覚めたとき、俺がいたのは見知らぬ天井で、ふかふかのベッドの上だった。
隣にはなぜか、昨日飲んでいた彼女の後輩が裸でいる。
一瞬で真っ青になった。 慌てて帰ろうとしたが、腕をグッと掴まれてこう告げられる。
「責任とってくださいね♪」
すぐに、彼女に知られ、俺たちはあっけなく別れた。
しかし、後でわかったことだが、どうやら結婚詐欺にあったようで、契約して購入したマンションも裏で繋がっていると。
音信不通になる後輩と、誰も信用できなくなった自分。
多額の借金に生活費、もともと、彼女と一緒という条件で試算した生活なのだ。
あっという間に、貯金は底をついたよ。
そして、死のうと思い一週間。
覚悟を決めてから五分経過。
「おいっしょ」
寝汗を吸い込んだ布団から出て、水しか出ないシャワーを浴び、塩で歯を磨いた。
髭はいいか。 クリームも無いので、剃ったあとヒリヒリするだろう。
会社には連絡するか? いや、いいだろう。
最近、仕事が手につかずにいて、不衛生なのか一歩も二歩も皆から引かれていたし、営業からも外された。
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