同室の幽霊ちゃん

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*** 「う――ん! って、どうやって降りるのこれ⁉」  久しぶりの生身の肉体に困惑してしまう。 ましてや、男性の体なんて初めてだ。  足の動かしかたすら忘れてしまっている。  椅子の上から下に降りようとしたとき、プルプルと緊張してしまい。  ガタンッ! と、椅子が倒れてしまう。 「え? って、ぶへぇ‼」    グイっと、喉に圧力がかかり、苦しさが一気に増してきた。  ヤバい! まさか体を借りた瞬間に死ぬことになるとは思わなかった。  ごめんなさい……。   そう思って力を抜くと、不思議なことに気が付いた。 「あれ? あ、足がつく?」  トントンと硬い床の感触が伝わってきた。   ゆっくりと、冷静に縄から顔を取り除き、上を見てみると、天井に括られていた縄の一部が解け、長さが増していた。  これでは、まったく意味が無い。 「へぇ、やっぱりドジだ」 (ドジとか言ってんじゃねぇよ! 俺の体だぞ! 大事に扱え!) 「あ、こっちの声聞こえるんだ」  しかし、先ほどまで死ぬつもりだったのに、大事に扱えって笑えてくる。   だから、詐欺にあうんだなぁって思った。 (は? なんで知っているんだ?)  中の男性が問いかけてくる。 「へへぇ、秘密だよ~♪」 (おい! 俺の声で気持ち悪い口調で喋るな! 寒気がするだろ) 「はいはい、黙っててねぇ」  一旦、軽くシャットアウトして、あちらの声を聞こえなくした。  
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