![6b9bc30b-481a-42fd-a004-5acb38813116](https://img.estar.jp/public/user_upload/6b9bc30b-481a-42fd-a004-5acb38813116.jpg?width=800&format=jpg)
気づいたら泣き崩れる大河の頭を抱きしめていた。そして自然に口から出た言葉。
「あのね…うち」
自分から話しかけたくせに…それでも
まだ立ち止まろうとする言葉。
そして近くの大通りを
けたたましい爆音を響かせながら走る
暴走族のバイクの音。
「ん…」
「離婚の原因はアタシやったと」
「ん…」
大河を抱きしめているアタシの右手が微妙に震える。それがわかっているのかアタシを抱きしめる力が強さを増していく。
「アタシね…赤ちゃんが産めない身体だった。今田の家はそこそこの家柄で…両親とも跡取りが欲しくて…ただそれだけのために結婚を許したみたいだった。後からわかったことだけど…二度目の流産のとき…」
もう赤ちゃんは…
無理かも知れません
「って医者に言われ…『子供を産めない女はいらん』みたいなことを旦那にも義理のお母さんにも言われ…」
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「旦那が外に女つくって、子供も産ませた。それで…アタシが捨てられた。まるで仔犬でも捨てるみたいに…」
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