![fb4de301-9a3b-4894-b3c5-7dbae78c3ac9](https://img.estar.jp/public/user_upload/fb4de301-9a3b-4894-b3c5-7dbae78c3ac9.jpg?width=800&format=jpg)
あと5年ーーーあなたを待つ。
冬子が二階に上がるとまたガランとなる居間。
テレビの音だけが聞こえていた部屋に
スマホの着信音。
琳子から。
「もしもし」
ーーその声は酒飲んでんだ。
「まあね。どうかした?」
ーー今日は面会行った?
「うん」
ーー旦那さん、元気だった?
「うん。だいぶ顔色も良くなってた」
ーー良かったじゃん。
「うん」
ーーこんなこと聞いていいか分からんちゃけどさ…
「何?」
多分、トラのこと。
琳子が口を濁《にご」らせるのって
トラのことを話す時。
ーートラのことっちゃけど…このままでいいと?今日、公園に女の人といたって。
彼女…できたんだ。
例えそうだとしても
アタシにできることなんかない。
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