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あなたが居ない一人の5年がもう終わる。
短かったなんて言わない。
正直に心をさらけ出せば長かった。
寂しくて寂しくて恋しくて
泣いた夜もいっぱいあった。
その度にあなたが好きだった曲を聴きながら
あなたとの刻んだ時間を
スマホから探し出すと
素肌に蘇るあなたの温もりを愛しんだ。
本来なら懲役5年4ヶ月。
それが5年に短縮され、
来週の水曜にあなたが戻ってくると
大沢さんから連絡があった。
あと4日であなたに会える。
5年間、1日も
忘れることのなかった
あなたのあの笑顔、
そして…。
この5年で色んなことが変わった。
まるで異国の国境を越えて走る列車の車窓を流れていく景色みたいに。
人は成長するもの。
過去の想い出は色褪せることなく
未来を連れて広がっていく。
秋恵は無事に就職して銀行に勤め始め、
冬子も無事に西南の3年生になれていた。
みんな頑張ってます。
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