prologue

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ad4c821b-d0dd-4d43-8153-59a591dd25fb ーーー両親と一緒にあの日、死んでたら… なんてことを考えてしまう時の自分が一番嫌い。 「ただいま」 「なつネエ、お帰り」 いつもは一番遅いはずの次女の秋恵が    視線を()らして少し声のトーンを下げた。 「秋恵、今日早いじゃん」 「ん」 「何なに、どしたん?」 「アンタ、何か変」 秋恵の目が泳ぐ時は、決まって隠し事があるか、何か言いにくいことがある時と決まってる。 「言わないけんことあるっちゃろ?」 「あ、うん」 「やっぱいい。明日話す」 「ふーん、そう。分かった」        多分、進学のこと。 それでも秋恵が自分で話すまでは追及しないことにしてる。アタシが秋恵でも嫌だから。
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