届くまで何度でも

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「そういうのはいらないから。ただ今後は鈴のこと大事にしてほしいだけ。」 ミズキちゃんが…そう言った。 桃花さんに向かって…はっきりそう言ってくれた。 あたしにとっては衝撃的で今まで友達に言われてきたどんな言葉よりも何倍も嬉しかった。 ようやく引っ込んでくれた涙がまた溢れてきそうになるのをグッと堪える。 「それはもちろんだ!」 「それじゃあもう行くから。これ以上覗くのは無礼だと思うから。」 …すごく帰りたいって顔にでてるよ、ミズキちゃん。 それにしても覗くってなんだろう? ミズキちゃんは覗いてなんかないのに。 むしろ当事者なのに。 「うん。分かった。今日はありがとう、ミズキちゃん。」 疑問だけど…きっと深い意味はないと思ったのでお礼を言う。 本当にありがとう、ミズキちゃん。 私のためにここまでしてくれて。 桃花さん相手に…あそこまで言ってくれて。
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