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ミズキちゃんが行ってしまった。
もう少し一緒にいて欲しかった気持ちもあるけど、このままではいけない。
これ以上…逃げてはダメ。
いや…最初から逃げてはいけなかったんだと思う。
それでもミズキちゃんは責めないでくれた。呆れながらも…思い切り顔に出しながらも批判しないでくれたんだ。
そればかりか今日は一緒にいてくれた。
このまま逃げては、何も変わらないし多分、チャンスはもうこない。
それにせっかく機会を作ってくれたミズキちゃんに失礼だよね。
「………。」
バツが悪そうにしている桃花さんを見る。
あれだけ逃げたくなっていた気持ちが不思議となかった。
………ミズキちゃんの言葉が効いたんだ。
落ち込んでいるようにも見えるから。
「桃花さん。」
「……鈴羽。」
「ありがとう。あたしのこと大切に思ってくれて。嬉しかった。」
「当たり前だろう?」
うん、知ってる。
あたしと桃花さんは小さい頃から過ごしてきて。
家族同然だから。
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