届くまで何度でも

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「え?」 それは。 どういう? 「鈴羽は友達が多い。これは前から知っているし疑わない。でも以前君が千景くんと一緒にいるところを見たとき…なんか違って見えたんだ。」 それは…反論できない。 だってあたしにとってミズキちゃんは他の友達とは明らかに違う。 生まれて初めてあたしの秘密を共有した友達だから。 他の友達とは距離感が違うから。 あたし達は休日はあまり遊ばない。ミズキちゃんがアルバイトだったり、やっぱり天音さんと過ごすだろうから。 だからきっと桃花さんが見たのは帰りだろうな。 たまに杏ちゃんが安藤くんと帰るときは私達二人で帰ってるし。 「心がざわざわしたよ。その時は無視したが…後に君のお母さんから聞かされたんだ。」 「お母さん…?」 「君が…千景くんに勉強を見てもらってるって聞いたんだ。」 「あ。」 そういうこと。 つまり…。 「避けられて…自分以外の人を頼ってるって聞いて…心が引き裂かれそうだったさ。」
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