36人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
お母さん、話したんだ。
確かにあたしは桃花さんのことが怖くなって、家庭教師も断った。
それもミズキちゃんの名前を出して。
実際赤点取ったときに見てもらってるから。
「どうしてか分からなかった。でも…離れた上に君を奪われたように感じて…。」
「桃花さん…。」
「この気持ちが何なのか分からなくて。でも今日やっと分かった。嫉妬……というものなのだろう?」
「……。」
それをあたしに言われても…。
でもそうだったらいいな。
「友人の言葉を聞いて。その上…皮肉にも千景くんの行動でやっと分かった。」
「桃…花さん。」
「好きだ。」
「ぁ…。」
ずっと堪えていた涙が。
自然と零れた。
ずっと聞きたかった言葉を聞いて。
ずっと願っていた言葉を聞いて。
そっかぁ……。
「やっと……届いたっ…!」
「あぁ。ようやく自覚した。自分にとって鈴羽は妹なんかじゃない。一人の女として見ていたんだ。」
最初のコメントを投稿しよう!