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「なあなあ蓮(れん)」
「何?新(あらた)」
「蓮って好きな子とか、今いんの…?」
「ん?あーいるよ、隣のクラスのすげーかわいい子、気になってるんだよね〜
お前はどうなの?」
「お、俺?俺は別に……」
「気になる子できたら教えろよ〜?
お前いいやつなんだからすぐ彼女できるって!」
「お、おう、ありがとな」
「一年のテニス部の子とかかわいいよな〜
あのショートの子、密かに人気あるんだよ〜」
「ふ、ふーん…
お前はやっぱりかわいい子がすきなのか?」
「勿論、どうせ付き合うならかわいい方がよくない?」
「………そうだな」
淡々と話す幼なじみの話を聞きながら俺は呆然と考えた。
(かわいく、ないな…)
俺は自分の手を見た。
そこにあったのはゴツゴツとした男の手、
お前がすきな守りたくなる華奢な手とは大違い。
「なあなあ、新はどんな人がタイプ?」
俺がこの気持ちを伝えたところでお前は受け入れてはくれないだろう。
適当に流されるだけだ。
俺がもしかわいかったら?蓮の大好きなかわいい子だったら何かが変わっていただろうか。
(いいな、俺もかわいくなりたい)
「……俺もかわいい子がすき、だな」
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