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「ああ、良かった! おまえに喜んでもらえるように、サネユキにも意見を聞きながら知恵を絞ったのだよ!そう言ってもらえると気合いを入れて改装をした甲斐もあったというものだ」
引き続き次の間にも案内された。
こちらにはクローゼットと、わざわざ新調されたらしい洗面台、手洗い、シャワーが設えられていた。
床は組木細工が美しい木床で、壁紙は主室と揃えられている。
クローゼットには先に送っていた服がきちんと並べられていた。
「我々はね、ハツキ」と、次の間の中を見回すハツキの頭に手を乗せ、キミノリは改まった口調で言った。
その様子に、ハツキも部屋の中を見回すのをやめて伯父に目を向ける。
「おまえに、何ものにも縛られないおまえ自身の人生を歩んで欲しいのだよ。そのためにベーヌからここへ連れて来たのだ。父上がおっしゃった通り、おまえはここでは自由だ。日々の生活を楽しみ、そして自らが手にすべきものを見つけなさい」
キミノリがハツキを案じてその言葉を言ってくれていることは理解出来た。
だがハツキは、それに対して自分が一体どんな返事をしたらいいのかが解らなかった。
黙ったまま伯父の顔を見上げるしかできない。
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