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「王立学院大学の制服は、一般の学生は上は黒のテイルコートにウエストコート、下は同じく黒のズボン、そして焦茶のリボンタイなんだけどね、成績上位者はちょっと違うんだよ。ウエストコートの色はベージュ、リボンタイは臙脂色になるんだ。だから学内では成績上位者のことを『臙脂タイ』って呼んだりするんだよ。で、君も入学早々その臙脂のタイの持ち主だろう?」
確かに実家に送付されてきた王立学院大学の入学に関する書類には、その色の制服を揃えるように記載されていた。
それを思い出し、改めて問われたボードリエからの質問には黙って頷いて返した。
ハツキの返答に、珈琲を運んできた盆を手にしながら、ボードリエが嬉しそうに笑う。
「ああ、やっぱり凄いね。入学時から臙脂タイっていうことは、内部からの進学者だったら高等部での成績が、そして外部生の場合は入学考査の成績が優秀だったということなんだよ」
続けて彼がそう言ってきたが、ハツキは自分が難しい試験を受けたとは思っていなかった。
先程グィノーは試験の結果に教授の推薦であることは関係がないと言っていた。しかしハツキの正直な感想では、あの試験問題自体が一般の入学考査よりも易しいものだったのではないかと感じられた。
その感想のまま、ボードリエに向かって首を傾げる。
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