000 プロローグ

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000 プロローグ

圧倒的才能。 逸脱した幻想。 上塗りの世界。 描けない未来。 王様は、ここにいる。 神様は、目の前にいる。 憧れの存在。 絶対的好敵手。 そう考えていた。 そう思っていた。 そう信じていた。 なのに。なのに。 異才に、切磋琢磨の四文字はない。 機才に、好敵手の三文字はない。 奇才に、努力の二文字はない。 鬼才に、彼以外の世界はない。 あるのは、誰も見られない彼の世界。 アートにかかわらない人に希望を与え。 アートにかかわる人に絶望を与える。 そんな彼の世界に。 牛飼彩羽(うしかい いろは)は、足を踏み入れた。
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