13人が本棚に入れています
本棚に追加
当時言えなかったことを、もう一度、ちゃんと伝えよう。
この十年で気づいた彼の優しいとこ、かっこいいとこ、たまにかっこわるいとこ、かわいいとこ、頼りになるとこ、ぜんぶひっくるめて。
「永谷、好き」
さすがにちょっと効いたらしい。恥ずかしいと耳まで赤くなる癖は、昔から変わらない。
「……はいはい。俺も好きですよ、永谷さん」
わざとそう呼ぶ彼に、わたしもすこしどぎまぎしながら。
彼と一緒に歩んでいくさらに十年後、そしてその先が、とても楽しみに思えた。
おしまい
最初のコメントを投稿しよう!