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「忘れないよ」
「……え?」
「忘れられるわけない。わたし、その、こ、告白とかされたの、初めてだし……」
その言葉の気恥ずかしさに、思わず少し言い渋ってしまう。
永谷は、じっと、わたしの言葉を待っていた。
「昨日ぜんぜん寝れなかったし。
……くやしーけど」
そんなわたしの言葉に、永谷の表情は少しだけ緩む。
「それは、ごめん。でも、そこまで考えてくれて、嬉しい」
「当たり前じゃん。……でもさ」
正直、わたし、どうしていいかわからないんだ。
永谷は今までただのクラスメイトだった。
でも、彼は昨日、わたしとの距離を縮めてきた。
それは、迷惑なんかじゃなくて、どちらかといえば、嬉しい。
でも、結論を出すには、少し。
ほんの少し、早い気がする。
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