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僕みたいな人並みの人間から得られる教訓なんて、どうやっても人並みを外れはしないのだから。
縁日は好きだろうか?
さらに言えば、お祭りは好きだろうか?
ちなみに僕は好きだ。先の陰鬱な語りのせいで大きく僕のイメージが下落しているかもしれないが、僕はこういった祭り事が嫌いではない。腐っても中学二年である僕に祭りの賑やかな雰囲気は魅力的だし、なにより中学二年真っ盛りの僕にこの非日常感というものは非常によく刺さった。
日常じゃないってワクワクすると思う。
そんな僕の居住している町の神社で7月20日今日、なんと祭りが行われるというのだ。これは行かざるをえまい。
らしくもなく浴衣なんか着て、特に使うあてもなかったお小遣いを握りしめてからんころんと、神社へ向かった。
神社への道を歩いていると、神社に近づくにつれ徐々に、浴衣を着ている人が目立ちはじめる、そうそう、この段々と非日常への扉を開いていく感じがたまらないのだ。
正直履きなれていない下駄の緒がちょっと痛くてスニーカーで来れば良かったかなと思わないでもなかったが、この完璧な空間に断片的でもそんな日常を持ち込みたくはなかった。
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