無知識欲

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 さらに、それだけならよい(よくない)のだが、なんと彼女は、いつも好んで日陰にいる僕を歯牙にかけ、なんとかクラスに馴染ませようと度々絡んでくるようになっていた。 「んー?まあ偶然なのかな?今日祭りだから行こうと思ってさ、途中でふらあっと柴木の家に寄って家にいるか確認して、なんとなぁく柴木が通りそうな道を利用して神社に向かってはいたけど」 「へぇ……」  要するに偶然じゃないらしい。 「その、今日は一人なんだね」 「うん、誘われたけど、全部断った!」 「……」  なんでこいつ人気なんだろう。普通に考えてこんなやつ僕なら絶対近づかないのに。  そんな僕の考えが苦く表情に出ていたのか、阿知和さんはわたわたと慌てたように、 「あっ!誤解しないでね!電話越しだったけど、ちゃんと土下座込みだから!」  土下座の有無は重要ではないし、むしろ電話越しに土下座したという情報で僕は彼女からもう2、3歩距離を空けたくなった。  できれば2、3歩といわず、いっそ土下座してでも2、300歩は欲しい。マジで。  危うく軽蔑を込めた目で見そうになるのを抑えて、僕は二の句をつぐ。
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