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小野寺りんが落ちてくる
小野寺りんが落ちてくる。
ゆうなが気づいたときには、手遅れだった。
すぐ目の前に彼女ご自慢のゆるふわパーマのセミロングが見えていた。
校門前の、ちょっと地元じゃ段数の多さが有名な階段から落ちてきた。
ゆうなははちょうど階段の半ばを過ぎた位置、高さは地面からゆうに5メートルを超えていた。
スローモーションで迫ってくる小野寺りんに避けないととは思いつつ、帰宅部で俊敏な瞬発力もないゆうなの足はとっさに避けることもできず地面に縫い付けられたままだった。
「きゃぁぁーー!!」
下の地面はコンクリート、しかもゆうなはりんの下敷きになる形で落下している。
ゆうなの脳裏に自身の腕や足があらぬ方向に曲がる未来がよぎった。
りんが至近距離で叫ぶ、ゆうなは次に来るだろう衝撃に備えてかたく目をつぶった。
「……………痛くない」
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