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告白
「すきなんだ。付き合ってほしいんだけど」
小学生の頃からずっと同じクラスの草太に告白された。
男子と女子のあいだにはいつも溝があったせいか、中学の3年になって突然そんなことを言われても、すぐに受け入れられるはずがなかった。
「え、いや……ドッキリ、とか……罰ゲームの告白とかじゃないよね?」
「そんなわけねーよ。で、返事は?」
ただでさえ彼がわたしに好意を持っていたことに戸惑いがあるというのに、そんなすぐに返事を求められても困る。
ーーーでも、クラスの女子で彼氏がいないのってわたしくらいだし、もしかしたら、付き合っていくうちにすきになっていくかもしれない……
「……うん、いいよ」
「それって……」
「草太と付き合うってこと!」
「そ、そうか。よかった〜……てっきり断られるかと思った」
このときの彼の安堵した表情と、はにかんだ笑顔が、なんだかわたしの胸を締め付けた。
こうして、中学3年の夏、わたしに彼氏ができた。
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