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下校の時に利用する電車は使わず、わたしは彼、雅也くんと一緒に未知なる領域へ踏み込もうとしていた。
ーーーうぅ、なんか……
「あれ、もしかして……緊張、してる?」
「だ、だって」
「まぁ、内緒とは言ったけどさ、普通に友達と遊びに行く感覚でいいんだよ。苺花は、いつも友達となにするの?」
「うーん……お金があるときはゲーセンとか映画行くかな? 余裕がなければ、だれかの家行ってゲームして……」
「なにそれ。ほぼ男子じゃん」
「う、うるさい。あんまり友達と遊ぶってことないんだもん。記憶では小学生くらいで止まってるし」
「へぇ。かわいそう」
「同情するなら楽しませてよ」
「いいよ。じゃあ、今日はゲーセン行くか」
「う、うん」
「ラインと、このチラシでクーポンいっぱいあるから、金のこと気にせず遊べるよ」
そう言って、雅也くんはカバンからぺらのチラシを取り出した。
「わーい。それはありがたい」
このやりとりを彼としながら、いますごく友達っぽいことしてるなんて思った。
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