1.不良による不良の為の高校

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1年前の入学式の時ーーー 『喧嘩(タイマン)ばっか学校の中身がないっつーからアタマ捻って見して、不良っ子以外の生徒も募集する事にしたっつーわけ。 ところがな、優等生は鼻がつくしよ、やっぱ不良と来たら平凡だろ? つー事でお前ら、平凡組を俺ら三長が護っちゃるから、学校の中身、夜露死苦(よろしく)!』 銀色の髪をオールバックに流し、目元はグラサンで隠れ、渋い強面姿の理事長が僕たち一般生徒のクラスだけしか出席していない入学式で挨拶をした。 緊張するなって言われ続けたけど、逆に軽めの言語が怖かった。 他の不良の一年生はグラウンドの方で恒例だという『喧嘩上等式』を校長先生と副校長が取り仕切っている。 実はめちゃくちゃ凄い怒声が聴こえてくるんだけど、誰も何も反応していない……じゃなくて出来ない。 最後は握手をされたけど、理事長の握力が強くて、三日間くらい手がピリピリして痛みが消えなかったのを覚えている。
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