1163人が本棚に入れています
本棚に追加
/93ページ
2.僕は最凶に運がないのかも
理事長に対しても不信感と危機感を覚えた入学式に、僕は即座に退学届けを出そうと思っていたけれど、数少ない同級生たちの励みと団結によって、奇跡的に何事もなく無事に2年生に進級した。
今回、初めて試練となりそうな事件が起こったというわけで……詰めが甘かった。
あの時、廊下を一人で歩いていなければ……その前にお腹を壊してトイレに籠ってなければ……!!因みに平凡組は安全を第一に教員トイレを使用してる。
「アンタに惚れた、付き合って」
何の戯れだろう?
稀に不良に告白される平凡組の生徒の噂は耳に届いていたけど、まさか自分がその対象になるなんて思うはずもなかった。
「あ、あの、僕ですか? 間違いじゃ……」
勘違いもあると聞いているから……平凡生徒の容姿や背格好はみんな似てると不良たちは思うようで……。
「上田央汰、アンタだ」
僕のフルネーム覚えられてる!それも初対面で“ちゅーた”って言われない……。
「え、えっと……っ」
今、僕に告白してる不良はこの学校ではある意味有名人なので全く知らないわけじゃないけど、僕自身とは関わりなんて無かった筈なのに。
あるとしたら、あんな“些細な”ことしか浮かばない。
最初のコメントを投稿しよう!