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「もしかして、オレを知ってるの?」
僕は直ぐ後、ゴホゴホと咳き込んだのでangelさんは背中をさすってくれた。
angelさんはカウンターのところに行ってカップに氷をたくさん入れた水を持って来てくれてストローまでついたのを僕に差し出してくれた。
「これなら飲みやすいと思うから、飲んで見て?」
「あ、ありがと……」
ストローだとゆっくり飲める。angelさん、優しい人だなぁ。
「カミーラミルク飲んでたようだけど、お酒だって知らないで頼んだのかな?」
メニューに映ってる写真を見てコーヒーミルクだと思った。
「このお店、ジュースの欄も怪しいから気を付けてね」
営業妨害だってマスターが叫んでる。
「あい……」
「オレ、澄谷って言うんだけど、さっきの話。オレの事を知ってるようだけど、シマ関係かな?それとも……四ッ橋高の噂?」
近くで長い睫毛が瞬きして、ちょっと強い瞳の色が僕を覗いている。
「シマ……昨日、僕も居て……すれ違いになって。えんじぇるさんって聞いて」
「驚いたな……そうなんだ。昨日…うん、すれ違ったね、君だったんだ」
「僕、上田です。えんじぇるさんって優しい人でれすね。はなし方とかも」
僕はちょっと疲れちゃって、こてっとテーブルに頬をすり付けた…冷たくてきもちいい。ふんわりふわふわする。
「え……あ!上田君、そんなところで寝ちゃだめだよ」
肩を揺さぶられて「あわわわわわわわ」と勝手に変な声が出てしまった。
「しんぱいないですっ……えんじぇるさん、不良のボウズさんと話してますか?きす…とかしますか?いっしょにねたり……」
それから僕は、えんじぇるさんがいいなぁって思ったから、灰鬼さんにされたことをえんじぇるさんに話していた。相談しようとした趣旨が違っていたなんてその時の僕は覚えていなかった。
途中でカランっとドアが開く鐘がなって、狭い喫茶店でもお客さんがいっぱい入って来るんだなぁって思ったらえんじぇるさんが「オレの家に来る?」と聞いて来たので少し言われたことを頭で反復した。歩いて近いから。と言うから僕はえんじぇるさんに着いて行くことにした。
「おいおい、ゴールドかよ。カオルなら心配ねぇけど初対面の野郎にホイホイ着いて行くなよ?」
そう後ろで聞こえて来てえんじぇるさんは「玖礼さん、オレだって考えてますよ、後で伝えます」
何だか重たくなった頭でそんな話が聞こえた。
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