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43. あわわわ~
あわわわわ~
灰鬼さんが僕の家にいるなんて、ど、どうしたらいいんだろうっ
それも、今夜は、僕の家に泊まるって!!
どこに?どうやって?
灰鬼さんが住んでいる高層マンションと違って古民家のような古い家だし、狭いし…あ、こんなこと言ってごめん父さん。あの世のじいちゃん。
灰鬼さんは何か珍しいものを見るように和室にある“仏壇”をジッと見ていて、その横にばあちゃんがお線香を焚いているのを興味があるのかその場を動きそうにもなかった。
香奈ちゃんは灰鬼さんを見てはビクッと肩を揺らしていたけどばあちゃんと一緒にいる。
この際、僕は慌てて自分の部屋に駆け上がって片づけをした。
と、とと友達って事になってるから、やっぱり僕の部屋に通すのが通りだと思うし……布団とか敷かないとダメかな……敷けないことも無いけど、で、でも、まだ灰鬼さんがどの部屋に寝るのかわからないし、客間だってあるからーー!
ばあちゃんに聞いて見よう!そう思って部屋を出ようとしたらドアの前に灰鬼さんが何故か居て吃驚した!!
「コレ、央汰の部屋?」
「あ、はい……っ!」
面白味もなんにもない部屋なので恥ずかしいというか、見られて恥ずかしいって言うか……灰鬼さん自身が僕の部屋に居るって事が恥ずかしいですっ。
「この部屋もそうだ……めっちゃ、懐かしい」
意外な言葉が出て来て首を傾けてしまった。
懐かしいって言ったようだけど、珍しいって思ったのかも……畳の部屋だし……。
「あ!ふ、布団を用意しますねっ……えっとまずは、ばあちゃんに部屋」
「いらない。あるだろ」
指を差した先は、僕の使用している畳んである布団一式だった。
「あれは僕ので……」
「だからいらない」
灰鬼さんはあの布団を使いたいのかな?? だったら譲るとして、僕は別の布団を使うしかない。
「じゃ、布団もう一組持ってきます」
えっとえっと、っということは、灰鬼さんは僕の部屋で、と、泊まることになったんですか!
グイっと片腕を掴まれて「だから、いらねぇって。央汰」と止められた。
「央汰と寝るから」
ーーはい?
僕はそれでもばあちゃんに布団を出して貰おうと階下に降りたのに、ばあちゃんは僕を見て、
「お風呂が湧いてるよ、入んなさいな。お友達さんとね」
……なんでそんな。
「ば、ばあちゃん!友達だからって一緒に入るなんてしないよ」
「おやまぁ、香奈ちゃんとは一緒に入っていたでしょう」と何でかニコニコしながらばあちゃんは伝える。
後ろにいた灰鬼さんから、何かピキっと割れる音がしたような気がした。
「そ、そんなの小学校の、それも低学年の時だよーーっ」
誤解を解くことなく、灰鬼さんは僕の腕を強く引くと風呂場に連行された。
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