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47. 照れくさいのは気のせい
僕の記憶に間違えが無ければ、昨夜は、な、何もなかった。お風呂で溺れたから迷惑かけちゃって何も…ってわけではないけど、頭の隅にちょびっとだけ考えていた事は何もなかったわけで……一緒に寝ただけ…ね、寝た…はわわ。
(早く着替えようっ)
そう言えば灰鬼さんの着替え……さすがに僕のシャツじゃサイズは合わないし。それもダサい僕の持ってるTシャツとかあっても渡せない。
「央汰」
「は、はい?」
灰鬼さんは半分ハダケた浴衣を向けて僕の方に寄り掛かかると、スマホを差し出された。
「ここの住所」
そう言われ、僕は照れくささ紛れに何の躊躇もなく自分の住所を灰鬼さんのスマホに登録した。
「あの、僕、朝食見てきますね!」
どうしても灰鬼さんがウチの食卓テーブルで朝食、それもばあちゃんの手作りを食べる図が浮かばないので、僕が簡単なものを作ろうと考えてた。
「……いい」
ポチポチとスマホを弄りながら、なんか上の空だけど。
「そ、それはダメだよ。お、美味しくないかもだけどサンドイッチ作ってきますねっ」
「……」
僕は自分の部屋を出たら、ドア付近に香奈ちゃんが居て驚いた。
「あ、おっ、おはよう~ 央くんっ…うへへ」
「香奈ちゃん……」なんか変な笑い方してるけど。
そう思ったら昨夜のお風呂のことを思い出した。そうだった香奈ちゃんに見られたのかと思うと!!
カタコトだけ話したら香奈ちゃんを置いて廊下に飛び出す。
後方で興奮してる息遣いが聞こえたけど、とりあえず無視してリビングに走った。
「BL良きっ」
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