47. 照れくさいのは気のせい

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 台所の方でみそ汁の良い匂いが漂ってくるけど、サンドイッチを作ることを話したらばあちゃんはハムカツを揚げてくれた。これにマヨネーズとレタスをちぎってサンドすれば美味しそうなので作っていたら香奈ちゃんが手伝うと言って傍に居る。 「お昼のお弁当? これで足りるの央くん」  そうじゃなくてと話そうとして香奈ちゃんの顔を見たら、昨夜のお風呂場での出来事を思い出した。 「あのさ、昨日……み、見た?」  は、恥ずかしい。香奈ちゃんに見られた……数年ぶりに裸なんて、幼いころと今じゃ違う。 「ううん。驚いて逃げちゃったよ…少し勿体なかったけど……わたしだって恥じらいはあるんだからねっ」 「あ、そっか。ごめん……」 「ねぇ、央くんのトモダチ…最初怖いかなって思ったけど、小顔で切れ長の二重だし唇も薄くって色白でシュッとしててイケメンだね」 「え、あっ、う、うん」  そう言えば香奈ちゃんと会った時は黒のだったから……普通は誰が見ても怖いと思うし、それなのに素顔は不良に見えないような爽やか……キラキラっぽい顔をしてるから……。 「あ、でも見てはいなかったけど、ドアの隙間からイケメンさんが姫抱っこして央くんの部屋に向かって行った気配したよ?うひひ…あ、優しいねっ」 「え、ええ??」 「でね、央くんたちって付き合ってるんだよね?」 「うん…え!はっ、なななななんでっ」 ぶちょ~っ 「あわわっ」  つい力を入れ過ぎて絞りすぎたマヨネーズが飛び散ってしまった。 「本当のこと言って大丈夫だよ? わたし同性の恋に寛容だから…!」  香奈ちゃんの爆告にピキッって僕はその場で固まってしまった。 「ついてる……」  その瞬間、硬直していた僕の腕を掴んだのは、手に飛び散ったマヨネーズにペロッて指なんかを舐めている……灰鬼さんだった。
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