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4.額にスリスリで唐突にファーストキス
「スマホ」
はい?
「LINEってどうやるの」
えー?
「え、えっとアプリを開いて……」
「アプリ? どれ」
黒総長はアプリなんて使うことはなかったんだろうな……喧嘩に明け暮れてた人で、従事している仲間もいるようだし。
「あ、その前に電話番号とか……」
「090✖️✖️✖️」
「あー、ま、待ってっ」
あれこれと指でスワイプしたりタップして操作した。
身を乗り出し過ぎたからか、ゴツンって頭と頭がぶつかってしまった!
「あ、わっ、あっ、す、すみませんっ」
ヤバいのでないか……黒総長の頭なんかを〜〜!
僕の頭上に手をかざしたのがわかって、咄嗟に両手で頭を守りながら目をギュって瞑った。
するとふわりと前髪を掻き上げられて額に指の感触が伝わって、さすっ…てる?
そおっと瞼を開けると、黒総長の手で額をスリスリ……ずっとしてくれてる。もう、痛くない。
「……額、パカッて割れてなくて良かった」
「え!だ、大丈夫です、そんなんで、割れないですよ?」
はう……なんか、噂よりも優しんでギャップについていけない。
「そんなことない。額を割るなんて簡単だ」
ひぁ!!凶悪で最凶の黒チームの総長発言……ギャップ回路がショートしそうだ。
「つかよー、灰鬼もういんじゃね?腹へっちまったぜ」
「八知堪えろよ。アタマのこんな珍妙なもの見れないぞ」
金髪不良と青髪不良はいつの間にか草むらに座っていて、一人は草をむしって……雑草を食べていた。
「わかった……央汰、来い」
黒く塗りつぶしたマニュキュアの爪で顎をクイってされて、なんだか目に深い隈…厨二病のような面妖が迫ってきたと思ったら、唇にむぎゅって強く押し付けられた。
え?き……キス!?
突然の事で、口を開けていたからか……。
ゴチッ
歯が当たった。
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