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──がちゃがちゃ。
不意に、玄関の扉の鍵穴から音がした。思うに、私をこんな目に遭わせた犯人が帰ってきたのだろう。
逃げようとしたことがバレたら、ひとたまりもないかもしれない。じゃらじゃらと鎖の音をたてながらも、私は無我夢中にベッドの上へと戻った。
私をこんな目に遭わせた犯人は、はたしてどんな人なのだろうか。私がおかれているこの状況は、おそらく“監禁”と呼ばれるモノ……すなわち、一般的にやってはいけないことだ。
小説やTVからの知識しか無いが、こんな行為をするのは私を誘拐して両親に身代金を用意させるつもりでいるのか、それか私に好意を寄せていて愛故に……。
いやいや、私は自分の容姿は平凡だと思っていて、かわいいとも美人だとは思っていない。
私よりかわいい子や美人な子はそこら辺にたくさんいるのだから、愛故に誘拐して監禁……はないと思う。
ストーカーっぽいこともされていない……と思うし、もしも愛故にこんなことをしたのならば、よっぽどの物好きだとしか思えない……。
ということは、やっぱり身代金が目当て……?他に目的があるとすれば──。
そこまで思考を働かせたものの、良からぬことが頭を過ぎったために再び頭の中が真っ白になった。
まさか……まさか、私のことを殺す……ために……?!
「いっ……いや……!」
死にたくない。だって、私の人生はまだまだこれからなのに、こんな何処なのかさえも分からない場所で死にいきたくなんかない。
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