stageopen:緊急事態

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stageopen:緊急事態

📱「畑越の伯父さんが亡くなったんよ! 明日、夜伽で明後日お葬式じゃけね! 伯父さんには世話になったけん広美、来なあかんじゃよ‼」 広美、金曜日の夜、仕事を終え買い物をしてようやっと自宅に帰った途端、故郷にいる母から連絡が入ってきた。 …畑越の伯父さん。。病気で長いこと闘病生活してたんだっけ、そうか。。でもまだ70歳前だよなぁ、若いなぁ… でも故郷奥地村は、岡山県の山奥の山奥、東京を始発で出ても現地に着くのはお昼。 東京からの移動は新幹線も飛行機も、岡山まではさほど変わらない。乗り継ぎのJRの在来線で40分と、その先の第三セクターのローカル線が一日数本しか運行していない。 しかも終点奥地村まで40分かかる。。 そこから実家まで車で20分走る。。遠すぎ‼ 📱「明日は土曜じゃけ、1泊しか出来んけど。。何とか行くわ」 📱「1泊はないじゃろ。色々人手が必要なんじゃ。分かってるじゃろ?」 📱「今、引っ越しシーズンじゃけ、仕事は休めんけん、ゴメン!支度するから」 電話を切り、それから広美は慌ててクローゼットの奥からキャスターと礼服を引き摺り出して支度をする。 支度を終えたのは深夜0時 明日、始発の新幹線に乗るなら4時起きしないとならない。 …4時起きなんて滅多にない。。起きれんかったらどうしょう… 即座にシャワーを浴び、アラームをかけて寝た。 寝たか何だかよく分からない内にアラームが鳴り出かける支度をして、部屋から飛び出した。 明け方5時。。まだ夜半と変わらず暗い街中を急いで東京駅に向かい、切符を購入して始発の新幹線に飛び乗った。 始発の新幹線はガラ空きだった。 車窓は眠りから目覚めてゆく都会の街並みがスクリーンのように流れてゆく。 じき朝陽が昇ってくる。 滅多に見る光景ではないから、見とれていたが、やはり慣れない早起き、睡眠不足、日頃の疲れ。。早速、眠気に襲われてくる。 寝過ごしたら一巻の終わりだから、スマホのアラームをバイブで設定して眠りについた。 この車内、実は広美の座っている車内の少し離れた席には思いがけない人物が一人、品川駅から乗り込み、座っていた。
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