stage3:奇跡ってあるもんだ

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stage3:奇跡ってあるもんだ

駆の出演している番組ハリケーン呼ぶZE!の放送が、終わっても広美はテレビの前で固まったまま茫然としていた。 当然、番組の内容なんて全然覚えているわけがない。 ♪♪♪LINE着信が来た。 …まさか。。(汗)… やはり駆からのLINEだった。 …どうしょう!どうすればいいの? イヤ、やっぱ似てる人だよ‼世の中似てる人3人いるっていうし… KACE:今日はやっぱ慌ただし過ぎたかなゴメンね!またヨロシク(^^)dw: …このLINEの送り主。。 今、テレビ画面に映っていた あのアイドルの羽沢駆からだというの? イヤ、落ち着け!広美、有り得ないって… だったら返信して聴いちゃえば? :よく言われるんだよ~‼:とか返信来るって 単に似てる人でしょうよ?本物なわけないじゃんね(苦笑) :今日は、ごちそうさまでした(^-^):広美 :さっき、TVで、ハリケーン呼ぶZE見てたんだけど、KACEさん羽沢駆に似てるって言われた事ない?(笑):広美 スグに既読になったものの、返信は来なかった。それきり。。 …やっぱ何?否定も肯定も返信ないって、どういうこと? 結局怪しい男だったカナ。。 いいや、もう関わらなきゃいいんだもの… 深夜2時頃。。広美は、ベットに潜り込んだまま、やはり起こっている現状が訳分からず、眠れずにいた。 ♪♪♪LINE着信音が鳴って、ワン切れした。 …誰?こんな夜中に、もうっ… 着信履歴を見たら、KACEからだった。 …。。起きているって事だよね。。 もう!こうなったら掛けて聴いちゃえ… 意を決して、KACEのLINE無料電話を掛けてみた。 2コールで通話になった。 📱「田沢さん。。だよね?ゴメン、起こしちゃったのかな?」 📱「いいえ。。深夜に、ゴメンなさい。。」 📱「初めて電話で話が出来るね。ヨカッタ。LINEより、もう直接話した方がいいかなと思っていたから」 📱「いえ、いきなり失礼なLINE送っちゃったかもって、ゴメンなさい。」 📱「やっと。。バレちゃったみたいだね。」 📱「は???」 📱「田沢さん。。騙すつもりは、なかったんだけど、実は本物なんだ。」 📱「????????」 広美、何が起きているかワカラナイ 📱「僕は、偽りなくハリケーンの羽沢駆です。」 📱「!!!!!!!!」広美、絶句 パニックのまま広美は必死に、何かを喋っていた。 📱「田沢さん!お願いだから落ち着いて‼」 駆の大声の呼びかけに、広美は我にかえって、やっと少し落ち着いた。 📱「私。。どうしょう。。国民的アイドルの凄い人と知らずに。。失礼ばかりゴメンなさいっ‼」 📱「何も失礼なんてないんだけど?」 📱「。。あの、あれ、もしやローカル線で会ったあの時って、実はカメラとかまわっていて素人ドッキリ番組だったとか?いつ放送されちゃうの?」 📱「違う!違いますっ!あの時は僕の超ブライベートで、田沢さんに出逢ったんです‼」 📱「超ブライベートって。。」 📱「僕が、年に一度奥地村に行くのはメンバーは勿論、マネージャーも会社も知りません。」 📱「。。だから?で、どうしょう。。」 📱「田沢さんは、普段の羽沢駆に会ってしまったんですよ。」 📱「何?何?」 📱「TVやステージの羽沢駆は、作られた業務用羽沢駆。今は、普段の羽沢駆。」 📱「何言われてるか、ワカラナイ。。ゴメンなさい。。」 📱「田沢さんは、昨日僕の中のSTEP1をクリアしちゃったんだよね。ってなわけで、これから尚、普段の羽沢駆に付き合って貰いますから、よろしく‼」 📱「はぁ???」 📱「これからは、LINEだけじゃなく電話もするからね‼」 📱「い‼いや、そんなっ‼無理ですっ私」 📱「何で無理なの?今だってこうして電話で普通に話してる‼」 📱「いや、これって、あの!奇跡みたいなもので、あってはいけない事だし‼」 📱「奇跡は大事にしなきゃね‼ 遅いからまた話そう‼ 俺、朝早くからロケだからまたね!おやすみっ‼」 気づけば何故か、最初からこの男のテンポに巻き込まれつつある。。何で? 結局広美は超興奮MAX冷めやらず、朝まで一睡も出来なかった。
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