41人が本棚に入れています
本棚に追加
stage3:奇跡ってあるもんだ
駆の出演している番組ハリケーン呼ぶZE!の放送が、終わっても広美はテレビの前で固まったまま茫然としていた。
当然、番組の内容なんて全然覚えているわけがない。
♪♪♪LINE着信が来た。
…まさか。。(汗)…
やはり駆からのLINEだった。
…どうしょう!どうすればいいの?
イヤ、やっぱ似てる人だよ‼世の中似てる人3人いるっていうし…
KACE:今日はやっぱ慌ただし過ぎたかなゴメンね!またヨロシク(^^)dw:
…このLINEの送り主。。
今、テレビ画面に映っていた
あのアイドルの羽沢駆からだというの?
イヤ、落ち着け!広美、有り得ないって…
だったら返信して聴いちゃえば?
:よく言われるんだよ~‼:とか返信来るって
単に似てる人でしょうよ?本物なわけないじゃんね(苦笑)
:今日は、ごちそうさまでした(^-^):広美
:さっき、TVで、ハリケーン呼ぶZE見てたんだけど、KACEさん羽沢駆に似てるって言われた事ない?(笑):広美
スグに既読になったものの、返信は来なかった。それきり。。
…やっぱ何?否定も肯定も返信ないって、どういうこと?
結局怪しい男だったカナ。。
いいや、もう関わらなきゃいいんだもの…
深夜2時頃。。広美は、ベットに潜り込んだまま、やはり起こっている現状が訳分からず、眠れずにいた。
♪♪♪LINE着信音が鳴って、ワン切れした。
…誰?こんな夜中に、もうっ…
着信履歴を見たら、KACEからだった。
…。。起きているって事だよね。。
もう!こうなったら掛けて聴いちゃえ…
意を決して、KACEのLINE無料電話を掛けてみた。
2コールで通話になった。
📱「田沢さん。。だよね?ゴメン、起こしちゃったのかな?」
📱「いいえ。。深夜に、ゴメンなさい。。」
📱「初めて電話で話が出来るね。ヨカッタ。LINEより、もう直接話した方がいいかなと思っていたから」
📱「いえ、いきなり失礼なLINE送っちゃったかもって、ゴメンなさい。」
📱「やっと。。バレちゃったみたいだね。」
📱「は???」
📱「田沢さん。。騙すつもりは、なかったんだけど、実は本物なんだ。」
📱「????????」
広美、何が起きているかワカラナイ
📱「僕は、偽りなくハリケーンの羽沢駆です。」
📱「!!!!!!!!」広美、絶句
パニックのまま広美は必死に、何かを喋っていた。
📱「田沢さん!お願いだから落ち着いて‼」
駆の大声の呼びかけに、広美は我にかえって、やっと少し落ち着いた。
📱「私。。どうしょう。。国民的アイドルの凄い人と知らずに。。失礼ばかりゴメンなさいっ‼」
📱「何も失礼なんてないんだけど?」
📱「。。あの、あれ、もしやローカル線で会ったあの時って、実はカメラとかまわっていて素人ドッキリ番組だったとか?いつ放送されちゃうの?」
📱「違う!違いますっ!あの時は僕の超ブライベートで、田沢さんに出逢ったんです‼」
📱「超ブライベートって。。」
📱「僕が、年に一度奥地村に行くのはメンバーは勿論、マネージャーも会社も知りません。」
📱「。。だから?で、どうしょう。。」
📱「田沢さんは、普段の羽沢駆に会ってしまったんですよ。」
📱「何?何?」
📱「TVやステージの羽沢駆は、作られた業務用羽沢駆。今は、普段の羽沢駆。」
📱「何言われてるか、ワカラナイ。。ゴメンなさい。。」
📱「田沢さんは、昨日僕の中のSTEP1をクリアしちゃったんだよね。ってなわけで、これから尚、普段の羽沢駆に付き合って貰いますから、よろしく‼」
📱「はぁ???」
📱「これからは、LINEだけじゃなく電話もするからね‼」
📱「い‼いや、そんなっ‼無理ですっ私」
📱「何で無理なの?今だってこうして電話で普通に話してる‼」
📱「いや、これって、あの!奇跡みたいなもので、あってはいけない事だし‼」
📱「奇跡は大事にしなきゃね‼
遅いからまた話そう‼
俺、朝早くからロケだからまたね!おやすみっ‼」
気づけば何故か、最初からこの男のテンポに巻き込まれつつある。。何で?
結局広美は超興奮MAX冷めやらず、朝まで一睡も出来なかった。
最初のコメントを投稿しよう!