王国戦争編

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傷だらけのカイリュウを放置するなんて、私の馬鹿! 動けないでいる国王たちを無視し、砂浜におりたキミラとカイリュウに駆け寄る。 人化していたカイリュウは気絶していただけだった。 治療する。 「…殿?」 目を覚ました。 一安心だ。 胸をなで下ろした。 「あ、あちらは、ワカウン平野の方角ではないか…そうか、余の軍にやられたのであるな!」 国王と近衛八人が笑い始める。 どう考えたらそうなるんだろうか。 アイツら、本物の馬鹿だ。 「ざまあみろだ!余の軍を舐めるでないぞ!まあ今ならまだ余の靴を舐め、地に這いつくばって余の側室にしてくれと懇願すれば、顔はいいから許してやらんことも――」 「調子乗るんじゃねえよデブ」 私は国王の方を見ることさえせずに言う。 衝動的に国王の首をざくっとやりたい思いに駆られるが、こいつにはもっと苦しんでもらわなければいけないので我慢。 「な、な…!もう許さん!!近衛兵!」 『は!』 あーあ、メンドくさ。 「ケイト、頼んでいい?」 「ああ」 近衛はケイトに任せる。 「フン、たかがガキに何ができ、」 「五月蝿い」 剣を振りかぶった兵の懐に潜り込んだケイトは。鳩尾に右の拳を突き出した。 「っごはァ!」 「な!?」 驚愕する兵の頭に回し蹴り。首のごきりという音のあとに兵は倒れる。 「この、」 向かってきた兵の足を払い、横にいた兵と重なって倒れたところを、二つの心臓をぐちゅりと踏み潰す。 「あと半分」 「うらぁああ!」 雄たけびを上げて迫った兵が振り下ろした剣を片手で受け止め、そのまま押し返して柄で腹をつく。 「ぐっ!」 「闇魔法、ダークネス」  ドォッ! 収束した闇が爆ぜる。 「く、くそ!」 兵が振り回す槍を表情一つ変えずかわし、柄を折って刃先を持ち、一歩踏み込んで喉をかき切った。 背後から来た一人の横薙ぎの剣をしゃがんでかわし、手首を掴んで地面に押さえつける。 そのスキにと向かってきた兵を背負い投げで勢いよく地面に叩きつける。 「お前で最後」 「そ、そんなぁあ!ご、ご慈悲を、」 「嫌だ」 兵から剣を取り上げ、ザン、と首を切った。 「主、終わった」 「ごくろうさま」 国王が絶句している。 「さて。残りはお前だけだね」
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