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目を瞑って暗いと言う 耳を塞いで静かだと言う
世界は救いがないと笑って 君は海に沈んでいった
ここに跡があることを 君は一生知らないだろう
潰れてしまったこの光は 君の上にあったんだよ
ひしゃげてしまったこの音は 君を呼んでいたんだよ
地面にぽっかり円を作って 君がいた跡があるんだよ
なぞればどれもあたたかいのに 君の手はそれを知らないんだろうね
ひとりぼっちの扉を閉じた その手が最後に触れたのは
凍てつく冷たさだっただろう
いつかいつか海の底で
鱗が波にさらわれて 身体が軽くなったなら
もう一度浮かんで来られるかい
そうしたらきっと君はすぐに 光と音に気づくだろう
願わくば安寧の暗闇を 君が静寂に抱かれていますように
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