Epilogue~君が忘れた、あの空を

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*  放課後、私は蓮先輩に誘われて、二人きりで下校していた。  いつかの夕暮れも、大きな川を眺めながら、こんなふうにゆっくりと堤防を歩いていたのを思い出す。 「最近、千尋先輩と未琴、一緒にいるのを見かけなくなりましたよね」 「……うん」 「私のせいで関係が壊れたのかと思うと、不安になってしまって……」  あんなにお似合いの二人だったから。いつか和解できる日が来ることを願っているけれど……。 「それは結衣のせいとかじゃなく、二人が決めることだよ」 「そう、ですよね……」 「たとえば、千尋が過去に人をいじめていたとしたら。嫌いになる? 今の千尋のこと」 「いえ……何か事情があったのかなと思いますし。話を聞いただけで、即座に嫌いにはなれないと思います」  根本的に『いじめをする人』というイメージは消えないし、どうしてもそういうフィルターを通して見てしまうことになる。  だけど現在進行形ではなく、過去の話だから。  それだけで嫌いになる理由ができたとは言えない。  私も未琴の立場なら、逆らえなくて同じことをしていた可能性もある。  三井先輩だって、主犯格とはいえ、蓮先輩への気持ちが強すぎたせいで、私を排除する方向へ行ってしまったわけで……。  私にも悪いところがあったし、彼女たちだけを責めることはできない。
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