あの時…、義理の姉妹愛

1/5
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ

あの時…、義理の姉妹愛

ケイコ、ペットに込めた想いとその原点/その1 亜咲 ”ワン!ワン!ワンッーー!” 「わー!!」 「ギャハハハ…、お姉ちゃん、何やってんのよ!」 ケイちゃんは芝生に尻もちだ(笑) 「もう、何やってんのー、ケイコ!全く、そっそっかしいんだから…」 「どうしよー…。から揚げ、芝生に落っことしちゃった~」 「アハハハ…、ジョンは大丈夫だから。いただくよ」 「大丈夫なの?亜咲さん…。お腹こわさないかな、ジョン…」 「はは…、大丈夫だって。さあ、ジョン、いただきなさい!」 ジョンはペロリだったわ(笑) さすが、おばさん特製のから揚げは絶品だからねー 犬にとってもヨダレもんみたいだ…(笑) ... 今日は私のお母さんが一時退院中ってことで、お隣の横田家と県民運動公園に遊びに来てね 両家定番の女5人、プラス我が家の愛犬ジョンでね(笑) 幸い秋晴れの過ごしやすい気候に恵まれたせいか、母の体調はよく、昼食もみんなと楽しく食べられてさ… 私としては、久々にそんな母の姿が見れて嬉しかったよ で…、ケイちゃんのお母さんが早起きして揚げてくれた唐揚げを、ジョンにおすそ分けしようってね… 私はてっきり、ジョンが大好きな言い出しっぺの美咲ちゃんが給仕を買って出ると思ってたんだけど 「ここはやっぱり、お姉ちゃんでしょ」ってね ちょっといたずらっぽい笑いを浮かべながら、姉のケイちゃんに振ったんだよね だけどねえ… ケイちゃんは今ひとつ、ジョンとは相性よくないみたいで まあ、本人はジョンが自分には懐いていないと思ってるようなんだ で…、唐揚げを手にしたケイちゃんは吠えるジョンに後ずさりして、芝生にころんじゃった(笑) ... 「いやー、参った。ハハハ…。でも、私にだけはどうも懐かないねえ、ジョン…」 昼食を終え、他の3人がトイレに入ってる間、私ら二人は木陰で腰を下ろして並んでね 「あのさ…、前々から言おうと思ってたんだけど、ケイちゃんに懐いてない訳じゃないぜ、ジョン。まあ、ケイちゃんの方が肩肘立ててるってとこだな。犬も敏感だから、そういうところはさ。はは…」 「まあ、私、ペット嫌いって訳じゃないんだけど…。なんか、苦手なんだよね。言葉通じないし…」 「アハハハ…、全く面白いこと言うなあ、ケイちゃんは。当たり前じゃん。要はスキンシップだよ。ペットの方から来たら、受け止めなきゃ。逃げ腰は動物にとって威嚇に感じることもあるからね」 「うん、分かってるんだけどね。…でもねえ…」 ケイちゃんは盛んに苦笑して頭を掻いてた ええと…、ちょっと突っ込んでやるか
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!