中島梓

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翌日も晴れていた。最近は外が気持ち良い。 俺はまた、中庭に来ていた。 親に与えられているクレジットカードで買ったゲームを、木陰で黙々とやっていると、昨日の黒猫がどこからともなくやってきた。 「また来たのか」 ゲームの画面から目を逸らさずに言うと、猫は勝手に俺の膝の上に乗ってきた。腕の間から顔を覗かせてくる。コラ、画面が見えねえ。 「邪魔すんな」 ポイと放り投げると、猫は気にする様子もなく、もう一度同じことを繰り返す。 「もー、何だよ」 何度押しやっても、そいつは俺が嫌がるのを楽しんでいるかのように、腕の間から伸びてきて邪魔をする。 遂に俺は根負けして、ゲームのスイッチを切った。 すると猫は急に興味を失って、俺の隣で毛繕いなんか始めやがる。 「何がしたいんだ、お前」 顔を顰めて睨んでも、知らん顔で擦り寄ってくる。人差し指で額を撫でると、指先をザラザラの舌で舐めてきた。 細い体。 コイツは、あの女がやってる餌以外に何か食ってるんだろうか。 学校が休みの日は? コイツは気ままに生きてるだけで、実は不自由してないのかもしれない。けど、無性に守ってやりたくなってしまった。
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