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美幸は総務なので、ここでお別れ。
私と順は企画部のフロアーに向かう。
「順はコーヒーいる?」
「ありがとう、俺のも淹れて。」
始業前にコーヒーを飲みながらメールチェックするのが習慣。
メールチェックボタンを押すとうんざりする量が届いた。
処理する優先度を決めながらメールを確認しているとあっという間に始業時間になっていた。
新しい課長が挨拶する声が耳に入ったので、顔をあげた。
「?!?!?!?!?」
私の視界に入っているのは、まぎれもなく今朝私のファスナー全開を指摘してくれた、あのイケメンだった。
とっさに顔伏せた。
ドキドキする自分の心臓の音とと課長が挨拶する声が耳に入る。
「今日からここでお世話になる北見祐樹です。私は無駄なことが嫌いなので、挨拶も手短にします。これからよろしく。みなさんの働きに期待します。以上。」
挨拶を終えてぱんっと手をたたくと、みんな仕事にとりかかった。
私は北見課長の方へそっと顔を上げてみてみたが、こちらを見ることもなく自分の席に向かっている。
今朝の出来事を覚えているかと不安だった。
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