初恋の君…、俺のリベンジ物語

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 翌日の学校の帰り道。見覚えのある少年と少女の姿が目に入る。二人は仲むずまじく手を繋いでいる。 「おっ、二人共仲直りしたんだな」俺が声を掛けると二人は振り返った。それは、先日喧嘩をしていたヒロと冬美であった。 「あっ、お兄ちゃん!」二人は嬉しそうに手を振った。 「お兄ちゃんの言った通り自分の気持ちを素直に伝えて良かったよ」ヒロは嬉しそうに微笑んでいる。 「あれから私達、結婚する約束したの。だからお兄ちゃんとの結婚する話は無かった事にしてね」冬美も幸せそうな顔である。ヒロはなぜか勝ち誇ったような顔をして俺を見る。どうやら俺は失恋したらしい。 「そうか良かったな。結婚式には俺も呼んでくれよ」俺がそう言うと二人は嬉しそうに相槌を打ってから歩いて行った。 「そうだな・・・・・・、やっぱり自分の気持ちはキチンと伝えないと駄目なんだな・・・・・・」なんだか俺が彼らに言った言葉なのだがブーメランのように俺に跳ね返ってきた。いつまでもこんな中途半端な気持ちのままではいけない。男らしく惠に好きである事を伝えなければ駄目なのだ。 そう、ほぼ十年越しの恋心を彼女に告白して俺もあの子供達みたい彼女と手を繋いで歩ける存在になりたいと思った。
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