初恋の君…、俺のリベンジ物語

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 約束していた休日がやってきた。俺はジーパンに長袖のシャツ黒いスニーカー。対する生川は気合の入ったジャケットとスラックス、胸のポケットにはお洒落なハンカチーフが飾られている。自分の兄の服を借りてきたらしい。 「お前、気合入りすぎ・・・・・・」その姿を見て呆れた。 「いや、これくらい当たり前だろ!あの天野と篠原と一緒なんだぞ!」生川は両襟をつかむと気合を入れるように引っ張った。 「お待たせ!」昌子の声が聞こえる。振り向くとそこには二人の姿があった。 「いや、そんなに・・・・・・」二人の姿を見つける。  篠原は俺と同じようなジーンズに黒いシャツ。大人びたそのスタイルが協調され目のやり場に少し困るくらいであった。  対する天野は膝上の短いスカートに清楚な感じのブラウス。肩から可愛らしいピンクのポーチを下げている。靴の薄いピンクの入ったお洒落なものであった。一見幼い感じのするコーディネイトであったが、彼女はそれを見事に着こなしている。俺の目は一瞬釘付けになる。 「なによ、ジロジロ見ないでよ・・・・・・」恵は恥ずかしそうに俯いて自分の靴の踵を見つめた。 「い、いや、ごめん・・・・・」俺も同様に下を向く。 「いやー、篠原さんもすごいエロッ・・・・・、いや素敵ですね」生川が篠原のファッションの感想をいう。 「ありがとう、えーと君はなんて名前だったかな?気合入っているね!」 「生川です!以後お見知りおきを」歯をきらりと光らせながら、また襟を引っ張ってポーズを決めた。 「ああ、そう。よろしくね」軽くいなすように彼女は手刀を上げた。あまり昌子は生川に興味は無いようであった。「じゃあ、行きましょうか」昌子が先導していく。 「ああ」俺達は彼女についていく形となった。  今日は、映画のテーマパークで遊ぶらしい。元々は海外の映画のアトラクションを中心にした場所であったのだが今一つ人気が出ず、方向転換をして人気のアニメなどを使用するようになって一気に人気を挽回したそうだ。 「あれ、行きましょう!」昌子が指差した先には海外映画の「タイム・ネーター」の建物があった。 「おっ、面白そうだな!」俺はアクション映画が好きで、この手の作品は片っ端から見ている。この作品も最新作まで欠かさず見ている。まあ、新しい作品はマンネリ感もあり退屈であったが・・・・・・。 「天野はあれだな。たしかアニメとか好きだったよね」小学校の頃、彼女はよく漫画のコミックスを学校に持ってきて休憩時間になると読んでいた。俺も何冊か借りて読んだ記憶がある。アニメも好きで、下敷きや筆箱もアニメキャラの物を使っていた。 「な、なに古い話しているのよ!今はそんな幼稚なものに興味はないわ!」両腕組をすると顔を赤くして斜め上に顔を向けた。 「ほら、二人とも始まるわよ!」昌子がワクワクした顔をして呟いた。
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