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夢幻の時間を越えて
(1)
「今日11時から見積部の方と面会を予約してたのですが」
「はい、ただいま確認するので少々お待ちください」
電話で確認する。
「すぐ参るそうなので、そちらの4番のブースでお待ちください」
そんな応対を繰り返す。
新年度なので来客も多い。
ぼーっと突っ立ってりゃいいやと思ってたのに全然違う。
立ってるだけでも疲れるのにそれを表に出してはいけない。
いつ来るか分からない来客に対応しなきゃならない。
基本2人1組で応対して交代制を取る。
休憩してる時間ではない。
総務部はありとあらゆる雑務をこなす。
新人の私達でもそれなりのデスクワークが待っている。
受付は来客だけではない。
デスクワークしている間は電話応対をする。
音声は録音されているのであからさまなクレームは来ないけどねちねちとくどい奴はいる。
しかしここは志水建設。
先輩たちはとても親切だ。
「栗林さん、どこから電話?」
「はいあの……」
「構わないからこっちにつないで」
「わかりました」
優しい先輩に電話を回すと先輩は相手を怒鳴りつける。
「お宅のたわごとに30分もうちの受付を付き合わせるとは一体何様のつもりだ!」
こんな感じで一日を終える。
クレーム処理の部門もあるのでそっちにまわしたりする。
そして11時30分になると私と道香は先に休憩する。
決して優遇されてるわけじゃない。
昼休みの間も受付は必要なので時間をずらして交代で休憩する。
休憩時間が終ると業務に戻る。
15時を回ると受付業務は過酷になる。
多分私たちの会社特有のハードな時間帯なのだろう。
私達は17時30分には業務を完全に終了する。
設計部や営業部、見積部が偶に残業するくらいだ。
これらの部門はさすがに時間内労働だけでは納期を守れない。
見積部が仕事をしなかったら仕事を受注できなくなってしまう。
だから役員の許可をもらって残業している。
そうなると下請けも必死になる。
期限ぎりぎりに出来上がった見積書を持ってきたりする。
アポを取ってない突然の来訪なんてよくある話だ。
そして担当はそういう時に限って出かけている。
その事を伝えると客は激怒する。
客は下請けや孫請けとはいえ社長やら部長やらそれなりの役職についてるものが多い。
だからプライドがあって私達を見下した態度をとる。
「あんた達は時間になれば帰れるからいいんだろうけど、それに間に合わせる為に我々にどれだけのしわ寄せが来てるのか分かってるのか!」
同じ残業するならもっと余裕をもって持ってくればいいじゃないか。
そんな事を言ってやりたいが言える立場ではないのでひたすら頭を下げる。
しかし相手も今日が期限。
そう簡単に引き下がらない。
そして相手は1社だけではない。
時間ぎりぎりに大勢の人間が押し寄せてくれ。
「こっちも急いでるんだ!早くしてくれ!」
受付はちょっとした混乱にみまわれる。
そうなることも想定してもしもの時は待機してる受付にヘルプを求めるようになっている。
道香が今ヘルプを養成していた。
「そんな小者を一々相手する必要ないわよ!」
偶に訪れる志水建設の会長の娘。
酒井善明の母親酒井晶さん。
「不満があるなら仕事を断ってくれてもいいのよ?あんた達の替わりなんていくらでもいる」
「晶さん、どうしたの?」
「あ、木元先輩。相変わらず雑魚共が騒いでるようね」
「えーと、麗華さんだっけ?何かあったのか?」
支社長の木元和哉がやってくる。
事情を説明した。
「アポすらとってないのに随分勝手な言い草ですね」
「し、しかしこっちも期限を守るのに必死で」
「期限は無理のない様にゆとりを持たせるように指示したけど。現に他の競合会社はとっくに提出してるよ」
他の会社に出来て貴社に出来ないのというのはおかしな話。
見積すら期限ぎりぎりになるのならきっと仕事を回しても同じミスを犯す。
だったら貴社に回す仕事はない。
支社長はそう言った。
「あなた一人の為に受付を用意したんじゃない。周りに迷惑を与えている。そんな会社に用はない。お引き取り願おうか」
支社長が言うと肩を落として帰って行った。
「結構ハードな仕事だけどそのうち慣れるから」
支社長は私達にそう声をかけてくれた。
「で、晶さんは今日はどうしたの?」
「ああ、片桐君の息子さんがサッカーの公式戦に出るらしいから渡辺班の皆で応援に行かないか?ってお誘いに来たの」
「それはいつなの?」
「連休中にあるみたい。それなら問題ないでしょ?」
「わかった。スケジュール空けとくよ。花菜には言ってるのかな?」
「大丈夫、アムールを通じて伝えてあるから」
「それにしても冬夜の息子がスポーツをやる気になるとはね。将来楽しみだね」
仕事を取り損ねる羽目になって敗れた営業やら零細企業の社長が肩を落として帰る中そんな話をしている2人。
17時になるとチャイムが鳴る。
私達は後片付けをして更衣室に行く。
30分後には会社を出なければならない。
「麗華って色んな人と知り合いなんだね」
道香がそう言った。
「あなたも増えるわよ。連休の合宿参加するんでしょ」
「うん」
色んな人が来るから。
多分地元で生きていくには困らないくらいの知り合いが増える。
私は徒歩で帰れる場所に住んでる。
道香は車で通勤してる。
しかし困ったことに私の住んでるマンションの反対の方向にスーパーがあった。
お米などの重たい荷物は光太が休みの日に車で連れて行ってくれるけど簡単な食材は徒歩で買って帰ってる。
スーパーに寄って帰ると光太が先に帰ってる事がある。
光太はもう現場に就いてる。
ただそう遠くない住宅の現場だった。
家ではお互いあまり仕事の話はしないようにしてた。
特別決めたわけでもないんだけど、家の中くらい仕事の事は忘れよう。
そう思っていたのだろう。
夕食を食べて風呂に入ってリビングでテレビを見て時間になったら寝る。
明日の朝にはご飯が炊けてるようにセットしてから寝る。
社会人としての生活に徐々に馴染んでいた。
(2)
「すいません、今日ここに家具取り付けるはずだと思ったんですけど」
家具業者の人に尋ねていた。
「雨で作業が遅れている事くらい分かってるだろ!」
まあ、大体怒鳴られる。
俺がが若造と言う理由もあるのだろう。
しかし雨で遅れる分も見越して工程は組まれているはずだ。
今日家具を取り付けてくれないとコーキング業者が二度手間になる。
コーキング業者だってこの現場だけに入ってるわけじゃない。
他の現場にもいかなければならない。
コーキング業者はコーキングした延べ距離で工賃を得る。
何度も通うような時間は赤字の元だ。
大体雨で遅れても家具は工場で作るんだから関係ないじゃないか?
「光太、どうしたの?」
同僚の岡沢克樹がやって来た。
事情を説明する。
「なるほどね~。ちょっくら事務所に行ってスケジュール確認してくるわ」
そう言って克樹は事務所に戻る。
その丁度後くらいにその家具業者が戸棚を持って来た。
「どうします?これから取り付けますか?納期今日ですよね?」
若い作業員が聞いていた。
そして驚くべき返事をその業者の担当は言った。
「いや、今日はもういい。今からやると定時越えてしまう。撤収しよう」
慌ててその業者を引き留める。
「物が出来てるなら今日つけてもらわないと困ります」
俺がそう言うと業者は俺を睨みつける。
「あのね、この現場まで30分はかかるの!これから取り付けてたら1時間はかかる。仕事は事務所に帰って片付けてタイムカード押すまで。残業手当が発生するんだよ!」
その分工賃追加でくれるの?
だいたい残業させて怒られるのあんたじゃないの?
志水建設は余程の理由がない限り残業は禁じられている。
例えばコンクリートの打設とかでどうしても終わらせないといけない場合とかだ。
しかし、この件だってそうじゃないのか?
家具を取り付けた後にコーキングする業者は更に残業する羽目になる。
もっと前もって持ってこれたんじゃないのか?
俺は説得を試みた。
「うちだってここの現場の仕事だけじゃないんだ。いくつも現場抱えてる。あんたの所にだけ構ってられないんだよ」
すると現場所長が克樹を連れてやって来た。
「いやいや、亀梨君お疲れ様。事情は岡沢君からきいたよ」
所長に事情を説明する。
「亀梨君、この業者に任せてる家具はどれだけあるんだい?」
「今日持って来たのを入れたらあと残ってるのは水回りの分ですね」
配管工が急ピッチで作業していると説明した。
「規格の採寸で何とかなりそう?」
キッチンや洗面台等はだいたい寸法が統一されている。
それを元に建築士は設計していくのだから大体は寸法通り収まる。
既製品では物足りないとか間取りの関係でどうしても規格に合わない場合は造り付け家具の業者に発注する。
今回もちょっと戸棚が木目調が良いとかそんな理由で家具業者に依頼した。
寸法上は問題ないと伝える。
すると所長は電話をする。
「はい、そうです。じゃあそのようにお願いします」
所長が電話終わるとにこりと笑って家具業者の担当に言う。
「すいません、今回だけは今日中に戸棚つけてもらえませんか?追加する工賃はお支払いしますので」
「そ、それならいいけどいいんですか?会社に怒られるんじゃないんですか?」
「今、会社に許可を得たので構いません。岡沢君、コーキング業者探して待ってもらうようにお願いして、割増しで請求して構わないからって」
「了解っす!」
克樹はそう言ってコーキング業者を探しに行った。
「若造分かったか。最初からこうやって頭下げてりゃスムーズに行くんだよ」
まあ、年上だから仕方ないのかもしれないけど十分工程に余裕持たせて他の業者はきっちりしてるのにずぼらな工程管理の挙句偉そうな態度をとってるこの男を怒鳴りつけたい衝動を堪えていた。
それを代弁したのは所長だった。
「今日の作業が終わったら、もううちの現場は良いので他所の現場で頑張ってください」
「え?しかしまだ納品してない家具が」
「ああ、サイズは合うみたいだし、安価だしわが社の営業が施主を説得するそうなのでご心配なく」
「そ、その分の代金は?」
「ご心配なく、こちらの都合でキャンセルしたのでちゃんとお支払いします」
それって大損失じゃないのか?
「ただし、以後我が社の取引は中止させていただきます」
それは所長の死刑宣告だった。
納期を守らない挙句謝罪の一言もない無礼な下請けなど要らない。
何も県内の業者にこだわる必要もない。
この家具業者よりも安い見積もりを出してくる業者は山ほどいる。
政治的取引で地元企業を優先してきたが最低限度のマナーもない業者ならこっちも相応の対応をする。
「ふざけるな!皆作業を止めて帰るぞ!」
「どうぞご自由に、そっちがその気ならこの戸棚を持って帰ってもらっても構いませんよ」
その代わり受け取ってない家具なのだから代金は支払わない。
結構な大きさの家具だ。
多分俺の手取りでは足りないくらいの金額だろう。
担当は恐らく自分の会社に電話している。
そしてとりあえず、家具は取り付けて帰るように指示を受けたらしくて作業は行われた。
作業が終ると終了したと告げて帰って行った。
さっきの剣幕は全くなかった。
後の事は大体想像がつく。
しかしその事に同情してる時間もつもりもない。
コーキング業者が丁寧に作業しているのを見守る。
終わったのは21時過ぎだった。
「今日は残業させて悪かったね。ゆっくり休んでね」
「お先に失礼します」
そう言って家に帰る。
「あ、お帰り」
麗華が玄関にやってきた。
作業中に麗華に遅くなると連絡はしておいた。
ここからは仕事の事は忘れて日常を楽しむ。
後日家具業者の社長が支店に訪れたらしい。
支店長に頭を下げ続けたそうだ。
だが、これが2度目だったことが災いしたらいい。
2度と志水建設の現場に現れる事は無かった。
そしてうちからの受注が全体の8割を超えていたその企業は倒産した。
(3)
「空、今夜空の家に行ってもいい?」
「今から?」
空が聞くと私はうなずいた。
空が一人暮らしを始めて半月くらい経った。
空の様子が変なのは気づいていた。
顔色が悪いのもそうだけど、どことなく表情がくらい。
無理して笑顔を作っている。
昨日その事を母さんに相談して、一度空の家に行ってみたらどうだ?という話になった。
学校があるから泊りは無理だけど様子だけでもチェックしておきたい。
「たまには気分変えて勉強したいし」
空の生活態度のチェックは隠しておいた。
抜き打ち検査ってやつだ。
口実はいくらでもある。
あのド変態がいくらでも口実を作ってくれる。
「まあ、別にいいけど……」
空から許可が下りると私は母さんに言う。
「あんまり遅くなるなよ」
母さんはそれだけ言った。
昨夜母さんがチェックする項目を作ってくれた。
それを暗記しておいた。
空の家に着くとまずトイレをチェックする。
ちゃんと掃除している。
ユニットバスなんかも綺麗にしてあった。
ゴミもちゃんと分別してある。
意外とまともな生活をしているらしい。
「水奈、さっき何してるの?」
空が言うけど私はキッチンや寝室も見た。
意外と綺麗好きらしい。
一見普通の暮らしをしているように見えた。
変なDVDとかも無い。
健全な男なら持ってると思ったけど。
しかし問題はやっぱりあった。
ちゃんと自炊してるように見てる。
ご飯とかは炊いてるようだ。
問題はそこからだ。
ゴミを見ると缶詰やレトルト食品のゴミが大量にある。
料理をするのが面倒になったのだろう。
スパゲティを茹でてレトルトのソースをかける。
その程度しか見えなかった。
空に聞いたら昼ご飯はTKGやラーメンで済ませているらしい。
そんな生活を続けていたら体を壊してしまう。
それに、やはり寂しいようだ。
元気がない理由もわかった。
突然孤独になる。
夜も私の勉強が終ったら一人でゲームをしているらしい。
そんな空が心配だった。
心配するなって方が無理がある。
「空、買い物に行こう」
「でも水奈の勉強は?」
「一日くらい大丈夫だろ?」
そう言って近所のスーパーに行って食材を買うと、空の家に戻って料理を始めた。
ササッと作って夕食にする。
空の話を聞いていた。
他の友達は授業が終わったらバイトをするか、喫茶店にたむろしてるらしい。
空は私の家庭教師。
授業もみんな同じのを受けるわけでないので一人の時間が増える。
結論からすると空はやることが無いんだ。
だけどこんな生活を続けていたら空の体が心配だ。
夕飯をすませて後片付けをすると空に言った。
「送ってくれるんだろ?」
「ああ、そうだね。今日はごめんね」
少し寂しそうな空の表情。
私の家に着くと空は私を下ろす。
「空、ちょっと家に寄ってくれないか?」
「どうしたの?」
「ちょっと話がある」
そう言って空と家に入ると、母さんに話があると伝える。
リビングには母さんと父さんがいた。
「話ってなんだ?」
父さんが言った。
私はお願いをした。
もちろん同棲をしたいとか言わない。
本当はそれが一番なんだろうけど大学に入るまでは家にいると言っている。
そうじゃない。
これからは空の家で夜まで過ごしたいとお願いした。
空の家で勉強する代わりに、空の食事の世話をする。
他の家事はきっちりこなしている。
ただあまりに食事が適当過ぎる。
このままでは体壊してしまう。
それともう一つ理由があった。
空の精神面のケア。
他の大学生組はカップルで同棲を始めている。
大学の授業は皆バラバラ。
授業外でもそれぞれの生活がある。
空が安らげるのは私とのバイト時間だけ。
なら、その時間を少しでも増やしてあげたい。
1人の時間が欲しいなんて言う空じゃない。
今の条件で私にできる最大の事。
それは、空と一緒にいてあげたい。
私は両親を必死に説得した。
母さんは了承してくれた。
残るは父さんだ。
「まあ、話を聞いた限りだと確かに放っておけないな」
「でもいいのか?空の家なら通学には困らないだろ?」
母さんはもう同棲したらどうだ?という。
「そこまで水奈に甘えるわけにはいかないから」
空ならきっとそう言うと思った。
「まあ、そう言う事なら私達は構わないぞ」
私たちの仲は今さらだしなと母さんは笑っていた。
話が終ると、私は空を見送る。
「水奈に心配かけたね」
「私にならいくらでもかけてくれ、もっと心配はあるんだ」
「例えば?」
「寂しいあまり大学生の女性と一緒に暮らし始めるとか……」
それは無いと笑っていた。
「空は、勉強して、私の勉強も見てくれて、家事もこなしてる。これ以上無理をしたら何かあってからじゃ怖い」
「ありがとう」
「礼はいらないよ、私にもメリットはあるんだから」
「メリット」
空と2人っきりの時間を作れる。
「わかった。じゃあ、今日はありがとうね」
そう言って帰っていった。
私は風呂を済ませると部屋で勉強しながら空とメッセージをやり取りしていた。
今まで遠慮していたけど、空が寂し差に震えないように、そばには私がいるからと伝えたかった。
それは空の為なのか私の為なのかわからないけど、独りぼっちの空を微笑み一つで救えるのなら……。
空っぽの心でもいいから、閉ざされた夢を探す。
空を目指して何度でも思いをぶつける。
空が笑ってくれるまで。
(4)
今日は親睦遠足の日。
母さんが作ってくれたお弁当と駄菓子屋で買った沢山のお菓子と水筒を持って学校に行く。
冬眞と莉子も一緒だ。
学校に着くと3年生の列に加わる。
皆が揃うまで瞳子や誠司達と話をしていた。
皆が揃うと説明があって那奈瀬の公園まで歩く。
公園に着くと皆集合して注意があって自由時間。
お弁当を食べながら話をしていた。
瞳子から卵焼きとから揚げをもらう。
「冴、俺には何かないのかな?」
誠司が冴にねだっていた。
ミートボールをもらっていたようだ。
お弁当を食べ終わるとお菓子を交換しながら食べていた。
お菓子を食べ終えた誠司が先生からボールを受け取ってくる。
皆でボールで遊んでいた。
集合時間になると皆荷物をまとめて集合する。
帰りは皆くたびれていた。
瞳子も喋る気力も無いみたいだ。
何とか校庭に辿り着くと集合して解散する。
家に帰るとサッカーの試合を録画していたものを見る。
僕にも憧れの選手はいる。
その選手の真似を使用と何度もイメージする。
だけどサッカーで同じ場面なんて遭遇する方が難しい。
メビウスの輪から抜け出せなくていくつも同じミスを繰り返す。
離れようと変わってしまおうと見失っても輝きは消えない。
許し合えるその日まで。
夢という風に導かれて過ちの波にのまれていく。
生きていくからいつか戻れる日がある。
メビウスの輪に引き寄せられていくつも時間を越えて出会いを繰り返す。
だから儚くて激しくて偽りないそのまなざしを閉じないで。
僕は将来の僕に必ず会う。
夢幻の時を越えて必ず。
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